ものづくりにおける価値とは、作品の裏側に密か存在するコンテクストにある。
作り手の作品にこめられたコンテクストを読解し、そこに価値をつけて販売するのがギャラリーの役割なのだろう。
90年代後半から始まった生活工芸ブームにより、全国的に広まったクラフトフェアや、技術やプラットフォームの進化により作り手が簡単に直売できる世の中になり、ギャラリーの形態も現代では縮小しているマーケットであることに違いない。
そんなご時世でも、作り手と語り手と売り手とクオリティの高いお客様が訪れる売場との関係性がうまく循環すると奇跡が起こる。
ギャラリストという立場は、時に編集者であり、ストーリーテラーであり、プロデューサーであり、キュレーターであり、ディレクターでり、最終的には商売人だ。どの視点で対話を重ねるのかということがとても重要になってくる。
そして価値を高めることに必要なのは作り手の審美眼とギャラリストの審美眼が共鳴すること。
健全な共鳴。
ギャラリーが提供する価値は作品そのものの価値だけではないコンテクストと希少性と文化にあること。
伝統工芸、民藝、生活工芸、クラフトではない世界を模索している。
それぞれの功罪が解消される何かを定義つけるものはなにか。
それを探す旅が始まる予感がする。
ニュースレターを購読する