安里昌樹 仏像展 静寂会(せいじゃくえ)
Galleryはらいそ識名園にて、あさと木漆工房の安里昌樹さんによる仏像展を開催いたします。
日時 2024年10月10日(木)〜10月15日(火)会期中無休
会場 Galleryはらいそ識名園 那覇市真地41-5
時間 11時〜16時
作家在廊日 10月12、13、14日
河野在廊日 10月10、12、13、14日
仏像をモチーフにした、やわらかなフォルムと優しい表情の木彫りたち。首里城の修繕に従事しながら、木漆工に携わる安里さんが創る、静けさと癒しのひとときをお楽しみください。
PROFILE
沖縄を拠点に活動する木漆工。沖縄の木材を使い、拭き漆の技法で温もりある照明や器を制作。自然素材を大切にした作品は、日常に静かな癒しをもたらす。初の木像展では、やさしさと祈りを込めた木像を通じて、心安らぐ時間をお届けします。
仏像展を開催するに至った経緯
人生を50年近く生きていると、私生活では子育て、仕事、介護、そして世の中では震災、パンデミック、地球温暖化など、さまざまなことが起こります。この15年を振り返っても、大震災、京アニ事件、パンデミック、首相暗殺、世界各地で燻る戦争など、心を穏やかに保つことが難しい社会情勢が続いています。
そんな心の休まらない日々の中で、自分の心を平穏に保ち、笑顔にしてくれるものについて考えるようになりました。特にSNSの登場以来、情報の伝達スピードが恐ろしいほど加速し、毎日真偽不明の情報に溢れ、不毛なやりとりに心を痛めることも少なくありません。
縁あって、家族で沖縄という異なる文化の土地に移り住みました。そこで、この島のオルタナティブな宗教観や旧暦行事、台所に設置されているヒヌカン文化に触れる機会があり、日常の暮らしと「祈り」の距離が非常に近いことを実感しました。
Galleryを立ち上げてからは、商売繁盛やイベントの成功・安全祈願のために寺社仏閣を訪れる機会があります。特に私が足繁く通う稲荷では、にこやかな七福神の石像や木像が迎えてくれ、その笑顔に癒される体験が心に残っています。そんな体験から、心の中に平穏な微笑みをそっと添えてくれるものとして、仏像を思い浮かべるようになりました。
SNSやインターネットを通じて木像を探していたところ、はらいそでお付き合いのある木漆工の安里昌樹さんが木像の作品をSNSで投稿しているのを見つけました。安里さんの作品は、私の求めていた優しい笑顔の木像と一致しており、今回の企画展をオファーすることにしました。
安里昌樹さんの木漆の作品は、ひとつひとつに使い手への思いが込められており、そのぬくもりのある質感が心を癒してくれます。安里さんとは、困難な日常の出来事について話し合うことがありますが、話した後には心が穏やかになり、ありのままの自分を受け入れることができる瞬間があります。
人生には、自分と対話する時間が必要です。安里さんが彫った穏やかで優しげな木像を通じて、自分と向き合い、心を穏やかに戻す作業をしてみてはいかがでしょうか。そして、その木像が次のステップを踏むための一助となることを願っています。